sinnka


直立二足歩行するかしないか。
それがヒトとサルを分かつそうだ。
胴体の真下に下肢のあるものをヒトと呼ぶのだそうで、ヒトが体躯に比して大きな頭脳を持つことができたのも、直立二足歩行のゆえらしい。要するに、火も道具も直立二足歩行のおかげなのだ。
それゆえほかの哺乳類にはほとんど見られぬ痔や腰痛などを持病として抱え込むようになったという。

ヒトが成長に時間を要するのも、直立二足歩行のせいらしい。
たとえば、ぼくには今年3月に生まれたばかりの甥がいる。
生まれてもうすぐ1年、馬ならとうに親のあとについて走れるころだろう。
でもこいつは今、這って歩いたり捕まって立ったりすることしかできない。
これもまた直立二足歩行する者が備えた限界なのだ。

何を隠そう、ぼくはこの甥とほぼ同じ状態にある。
じぶんの力じゃ歩けない、杖なしじゃどうしようもない。
さすがにどこにも行けずじゃ困るので、退院してこのかた、毎日1時間は歩いている。
まるで老人みたいだなと思うが、致し方ない!

20130531075626245「草野さんは歩くとき右に傾く癖があるんですね。右足に多く力が入っているんですよ。これを腰の力で戻してバランスをとっているんですが、これからはその点を意識しながら歩く必要があります。つまり右足を出すときに、腰でバランスをとるようにする」
スポーツの得意そうなリハビリの先生がにこやかにそう言っていたのを思いだす。
右とか左とか、考えたことねえよ。おれはずっとこれで歩いてきたんだよ。
そう思いながら、素直にはいと返事していた。

歩くとは、バランスをあえて崩し、それを瞬時に戻して移動するという技だという話を思い出した。
人はこれを、たとえば話しながら、考えごとしながら、スマホをいじりながら、当たり前にこなす。
慣れと筋肉は、ここまで人を自由にする。
ぼくはそんなことを考えながら、とにかく歩くことだけを考えて、前にすすむ。



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