政府はテクノロジーをどう利用するかについて、
学校に指示しない。
何をどう教えるか考えるのは学校と教師だ。
彼らの自主性と責任に任せたい。
教育省は教師のトレーニングに集中し、学校間・教師間の連携を援助する。

イギリス教育相マイケル・ゴーヴ(Michael Gove)のスピーチは、いよいよ核心にせまる。
前提条件として、彼は「教育省の立場」すなわちイギリス政府の立場を明確にする。
テクノロジーをコントロールすることはできず、それゆえに政府は教育をコントロールしない。学校と教師の自主性に任せ、教師のトレーニングに集中するとともに、学校間・教師間の連携を援助する。Goveが訴える抜本的な教育改革の大きなトピックのひとつだ。
(訳・TENTO 英The Gurdianのスピーチ全文掲載による 元の記事 前の記事

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●政府はなにをすべきかを命じない

現代は物事がどんどん変化する時代です。テクノロジーの変化は予測不可能で、未来のすがたを知ることはできません。だから政府は、中央から学校にむけて、何をどのようにおこなうのか事細かに指示しようとしてはいけないのです。

私たちは、今まさに起こっている発展とともに仕事をしなければなりません。変化を支え、促進し、助長していくのです。変化をコントロールしようとしてはいけない。

新しいテクノロジーは、その本質からして破壊的な力であるといえます。革新し、発明します。ヒエラルキーを壊し、創造性と斬新な思考を促します。

私たちの全学校改革プログラムにも同じことが言えます。これまでも同じことを主張してきました。

教育省は、学校それぞれの自主性を尊重することにしました。教師のプロ意識を信頼しました。教える内容すべて指示するという重い責任を、もう中央政府が背負うことはありません。同時に、学校に自分自身の将来を決める力を与えます。インターネットが情報を民主化し、どんな人でも世界と話すチャンスを与えたように、テクノロジーはここにいる私たちひとりひとりに自主性をもたらすのです。

これは大きなチャンスです。同時に責任をともなうものでもあります。


●教育省は教師トレーニングに集中したい

私たちが機器を扱うこと、買うことにに注力するのではなく、個人のトレーニングに投資しているのはそういう理由です。私たちは教師のトレーニングを改善し、これからのチャンスを最大限活用できるよう、スキルと知識を身につけてもらいたいと思っています。

教師は、クラスの中と外で、先進的なツールや教材を使うのに自信を持てなければなりません。これは彼ら自身はもちろん、生徒のためにもとても重要なことです。また、新しい技術が現れるたびにそれに対応できるようにすることも重要です。つまり、新技術を使うときに、教師たちができるかぎり最上のITT(ITテクノロジー)とCPD(能力開発)を利用できるようにしなければなりません。

TDA(教育開発局、政府機関)との活動では、次の年度の最初の教師トレーニングコースを注意深く見てみようと思っています。このトレーニングコースでは、教師たちにテクノロジーを自信を持って使いこなせるためのスキルと経験を与えます。また、私たちはNominet Trustやその他の機関によってサポートされているNestaとも活動していますが、Nestaは今日、学校での革新的な技術へ投資し、研究するための200万ポンドのプログラムを発表しました。

教師たちが、テクノロジーに関して成功している他の学校から学ぶ機会ももうけるようにしなければなりません。

すでに現在、とても優れたICT教育を行なっている学校もあります。これは、教育水準局による最新のICT教育レポート、および昨年のNaaceによるレポート「テクノロジーの重要さについて」に掲載されています。

経験を共有することは、すべての学校が水準を上げるのに役立ちます。VitalのOpen Universityと行なっている活動では、教師がICTの専門知識を学校間で共有する手助けをしています。効果的な学校間の連携は、すでに存在しているベスト・プラクティスとイノベーションをたくさんの学校に広げるために、大きな役割を果たすでしょう。

また、国内の教員養成学校は、テクノロジーの使い方を学校間で改善するためのネットワークづくりをすでにおこなっています。教育省は、教員養成学校のこの活動を支援するため資金を提供しようとしています。

(4)につづく

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